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落合陽一 × 若佐慎一 ぐわぐわぬるぬる : 森からいづる不可視な境界線を廻って

9月1日よりKarimoku Commons Tokyoで落合陽一と若佐慎一の2人展を開催致します。

▼展示概要
企画名 | 落合陽一 × 若佐慎一 ぐわぐわぬるぬる : 森からいづる不可視な境界線を廻って
会期 | 2022.09.01[木] ‒ 09.25[日](毎週日曜日は休館、最終日9/25(日)のみオープン)
時間 | 12:00-18:00 
会場 | Karimoku Commons Tokyo ( https://commons.karimoku.com ) 
入場料 | 無料
企画主催 | 若佐慎一
機材提供・技術協力 |株式会社セイビ堂
協力 | カリモク家具株式会社、株式会社エモハウス、inu 合同会社、阿座上陽平、公益財団法人日下部民芸館、飯山寺、神通寺、錦山神社、霊泉寺、株式会社井上工務店、CHAIRMAKER TAKAYAMA JAPAN

▼展示背景とコンセプト
この度、Karimoku Commons Tokyo1Fギャラリースペースにおいて、アーティスト若佐慎一の企画主催により、メディアアーティスト落合陽一氏と若佐慎一の2人展を開催いたします。
本展では、それぞれの作家の領域による作品に加えて、木材を使用した新作を発表いたします。

本展示は、若佐と兼ねてから親交があったカリモク家具のアドバイザーである藤本美紗子氏(inu 合同会社)と出会った事がきっかけで始まりました。
展覧会のコンセプトは、先ず、カリモク家具が商品である家具を製造する過程で出る端材や、それに携わる社員、職人の方々の想いといった、表には出てこないモノコトの集積によって、商品が作られているという所に着目することに。それは、森と人との間に生まれた日本人的アニミズムによって生まれた価値観との繋がりがあると考え、森と人との間にある「見えないモノ」を展示コンセプトの中心として据えることとしました。

そこで以前、「凄い若い(https://www.instagram.com/sugoiwakai)」というブランドを共に立ち上げた経緯もあり、上記のテーマにも通じた創作活動を続ける落合陽一氏にお声がけすることにしました。

落合氏はこれまで、人間とコンピューターの境界領域が調和して1つになる新しい自然観「デジタルネイチャー」を軸に制作、活動をしてきました。本展では、デジタルネイチャーの上に新たな民藝はどう存在しうるのか?という問いから端を発することで実現した作品を中心に、木材を使用した新作を発表致します。作品は、作家が提供した3Dデータを元に、カリモク家具が持つ技術で制作を行う新しいコラボレーションによって実現します。

一方、若佐は日本の風土と宗教観をテーマに、漫画やゲーム、アニメの特徴とされる要素を作品内に取り込み、ペインティングを中心として発表してきました。近年、様々な素材を用いた彫刻作品も展開していますが、本展では初となる木材を使用した彫刻作品を発表致します。
素材となる木材は、カリモク家具の商品を生産する過程で生まれる端材を集めてブロック状にして、そこから制作を行なっており、自然やそこから派生するモノ・コトと日本人との関係性を表現した作品となっています。

COVID-19によって、外出制限など人との直接的な交流の制限要請がある中で、否が応でも自分と向き合わざるを得ない状況となり、「個」が強調されるポストコロナ時代に於いて、それがきっかけとなり、これから更にアイデンティティの探求が求めらる時代になると考えています。
「ぐわぐわぬるぬる:森から出づる不可視な境界線を廻って」と題されたこの展覧会は、国土の7割が森や木で覆われている風土によって生まれた歴史や文脈がもたらすアイデンティティを再考し、もともと、日本にある訳のわからなさ加減や非合理性、カオスティックな世界と混沌とした秩序などなど、様々な領域を横断しながら、相反するモノを常に内包しながら進み続けるこの世界に希望を見出しつつ、新たな可能性を探ります。

若佐慎一

ポストコロナの生活の変化は、定在遊牧時代ともいうべき状態に近づき、デジタルと身体の垣根はますます薄れていき、我々が生活や文化の中で憩う「豊かさ」の再考を我々に求めているように思う。この変化は狩猟採集社会、農耕工業社会、情報社会と変化してきた我々人類の変遷の中で定在遊牧性社会という新しい時代区分に差し掛かっているように見える。これは、社会それそのものの基盤がよりソリッドステートに近づき可動部分が少なくなり、人々の営みが生じる環境負荷についても明示的にトラッキングされる。その様は遊牧民が環境負荷に応じて彷徨う牧畜の群れとともに変遷することによって可視化されるように、我々もまた各々の環境負荷に明示的になりながら、この遍在する社会を生きることに繋がっている。その思考の連続の中で、改めて森や木の文化、精霊、神話、目に見えない・聞こえない、感じられないものを探していくことは信仰というよりは民藝的な倫理、むしろ生活の営みや規範を再認識し、自らが立脚する歴史的な文脈を理解することで生きることそれそのものに向かうための気力を養うことに近づいている。そこで再考される豊かさとは物質的・資本的なものに限らず,味わい深いコンテクストを理解したり、何気ない日常の調度品を眺めることの中に憩いや精神的充足を感じるような、時間と空間をより重層的に感じることによる心の豊かさを志向するものであろう。

「ぐわぐわぬるぬる : 森からいづる不可視な境界線を廻って」と題されたこの展覧会は、定在遊牧性から新たな豊かさを指向するコンテクストをもとに、より身体的でより非言語的な可能性へ、民藝的な展開を円空仏や廃品の再利用などを通じて行いながら、メディアとデータ、計算機と自然、木工に代表されるような狩猟採集時代の豊かさへのオマージュを通じて、身体性とグルーヴを描き出そうとしている。哲学者のイヴァンイリイチが1970年代にコンヴィヴィアリティを参照した際に悦な体験というものの宴会的性質を排除して考えていたが、民藝美は再び豊かな悦な体験を通じてリミックスされ,身体性をより喚起する方向へと変化すべきなのではないかと我々は考えている。この展覧会を通じて、身体と遍在性の関係、分断の超越、サステイナビリティと伝統や文化とのマリアージュを体感してほしい。見えぬもの、しかし感じられるもの、表現するための単語はないが、ひょっとしたら擬音語や擬態語のオノマトペがその身体感覚を表象できるものなのかもしれない。

落合陽一

▼アーティストの紹介

落合陽一
メディアアーティスト。1987年生まれ、2010年ごろより作家活動を始め、境界領域における物化や変換、質量への憧憬をモチーフに作品を展開する。筑波大学准教授、 京都市立芸術大学客員教授、大阪芸術大学客員教授、デジタルハリウッド大学特任教授、金沢美術工芸大学客員教授。2020-21年度文化庁文化交流使、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)テーマ事業プロデューサーなどを歴任。
2016年PrixArsElectronica栄誉賞、EUよりSTARTSPrizeを受賞、 2019SXSWCreativeExperienceARROWAwards受賞、Apollo Magazine 40 UNDER 40 ART andTECH, Asia Digital Art Award優秀賞。
近年の個展として「未知への追憶(渋谷マルイMODI・2020)」,「物化-Transformation of Material Things-(香港アーツセンター・2021)」,「遍在する身体,交錯する時空間(日下部民藝館・2022)」など。
「New JapanIslands 2019・2020」エグゼクティブディレクターや 『落合陽一×日本フィルプロジェクト』などの演出も務め、さまざまな分野とのコラボレーションも手掛ける。
https://yoichiochiai.com/
 

若佐慎一
1982年広島生まれ。広島市立大学大学院修士課程(日本画)修了。大学で日本の伝統画法を学び、学部卒業制作を同大学の首席に当たる「買い上げ」となる。卒業後、月刊美術主催公募展「デビュー」にて準グランプリ受賞。
日本の風土と宗教観をテーマに、漫画やゲーム、アニメの特徴とされる要素を作品内に取り込み制作する。
活動は国内外問わずその場を広げ、京都伝統工芸の「長艸繡巧房」に原画提供や、NYのファッションブランド「sawa takai 」、アイドルグループでんぱ組.incの相沢梨紗が手がける「MEMUSE」とのコラボ、そして、メディアアーティスト落合陽一、デザイナー串野真也と共にファッションブランド「凄い若い」を立ち上げるなど多岐にわたる活動を見せる。
栃木県立美術館、広島市立大学、円覚寺塔頭龍院庵、作品所蔵
https://www.shinichiwakasa.com/

▼Karimoku Commons Tokyo について
住所 :〒106-0031 東京都港区西麻布2丁目 22-5 
電話番号:03-6805-0655 
営業時間:12:00 ‒ 18:00 
アクセス :東京メトロ表参道駅 A5 番出口より徒歩10 分 
Web :https://commons.karimoku.com/ 
*営業日などの詳細は上記ウェブサイトにてご確認ください。

 

カリモクの起源は、創業者の加藤正平が長年続く材木屋を引き継ぎ、愛知県刈谷市で小さな木工所を始めた1940年に遡る。様々な木製品を生産することで技術を磨き、1960年代に入ると、自社製の木製家具の販売を開始。高度な機械の技術と職人の技を融合させる「ハイテック&ハイタッチ」という製造コンセプトを掲げて木材生産分野における土台を作りあげ、日本を代表する木製家具メーカーへと成長を遂げる。

 

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