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大正9年創業「秩父織塾工房横山」が新技術を開発!光の角度で絵柄が浮き出る『ヤナセ絣』を約120年来の新銘仙として特許出願中。第71回埼玉県美術展覧会にて入選、展示開始

大正9年創業の秩父銘仙(ちちぶめいせん)の老舗である秩父織塾工房横山 株式会社(本社:埼玉県秩父郡長瀞町 代表取締役社長:横山大樹、https://www.yokoyama-koubou.com/ 以下、秩父織塾工房横山)は、この度、埼玉県伝統的絹織物である秩父銘仙において平織の新技術ともいえる新銘仙『ヤナセ絣(がすり)』を発明開発し、2022年10月24日に特許出願したことをご報告いたします。(特許出願中 特願2022-169737)
さらに本技術を使った着物が、「第71回埼玉県美術展覧会」にて入選いたしました。つきましては2023年6月22日まで開催の上記展覧会にて初お披露目いたします。

  • 特許技術、新銘仙『ヤナセ絣(がすり)』について

秩父織塾工房横山は、本来分業になっている銘仙のすべての工程を一貫して制作できるよう整備している希少な工房です。銘仙の作業工程は白い糸を揃える整経(せいけい)という工程を経て、反物の幅に揃えた糸の束がずれないよう、ジグザグと粗くよこ糸をいれ織っていきます。この仮織までした、たて糸に捺染(なっせん)(※1)をしていくのが銘仙の特徴の一つです。

そしてこの度、昔ながらの伊勢崎銘仙の併用絣(へいようがすり)(※2)の技術を応用研究し、新技術、秩父銘仙『ヤナセ絣(がすり)』を開発いたしました。本技術は特許出願中となり、秩父銘仙の特許技術申請は1903年に坂本宗太郎氏がたて糸に捺染を用いる技術で特許技術取得した以来となります。

新銘仙『ヤナセ絣』は、たて糸、よこ糸それぞれ絵柄の違うものを型染めで一色ずつ色をつけることにより、平織では表現出来なかった奥行きのある、絵画のような作風になり、角度によって違う柄が浮き出る立体感や、絹独特の光沢感、光の角度や補色によって生まれる玉虫効果が特徴的です。職人の手で一点一点手間暇を惜しまず織り上げることから、まさに芸術品に値する一品として今回の技術が誕生いたしました。

<角度により柄が変わる新銘仙『ヤナセ絣』の資料映像>
※高画質設定いただくと素材感がよりわかりやすくご覧いただけます。

※1:捺染(なっせん)とは・・プリントのこと。当工房は、型を使って昔ながらのコンニャク糊に染料を入れて型染め、手染めをしています。

※2:伊勢崎銘仙の併用絣(へいようがすり)・・伊勢崎銘仙とはたて糸とよこ糸に同じ柄ををつけ併せて織る技法です。手織りで一本一本手で柄を合わせながら織る時間と手間がかかる技法で併用絣(へいようがすり)とも呼ばれています。一方、秩父銘仙はたて糸に柄をつけ、よこ糸は単色の柄のない無地の糸を使って織る技法です。シンプルで比較的簡素化されて生産性を上げるため機械で織られたものも多くあります。

  • 今後の展望について

弊社では、今後も『銘仙を日常に』をモットーに、歴史と伝統を大切に、且つ幅広い世代の日常に寄り添った新しいアイディアの製品を生み出してまいります。今後は下記に力をいれてまいります。

  1. 伝統工芸について継承していくことへの想い
    過去には数々の優れた作品や反物がありますが、現在その技術は職人の高齢化により急速に失われ、継承できなくなっていたり、作り方がわからなくなっているものもあります。我々は、過去の反物から技術を読み取り、試行錯誤しながら、現代に新しい形で復元し、後世に伝えていくことを使命と考えています。

  2. アート・芸術的価値の高い特許出願中技術を用いて多方面に展開
    本来、銘仙はデザイン・型彫り・整経から製織に至るまで細部に分かれた分業と多くの人たちの技術によって支えられてきました。現在は分業制の産業構造が衰退し、機能しなくなっています。職人の高齢化とともに技術が失われ、銘仙を製造している機屋も秩父に数軒となってしまいました。どの工程が欠けても銘仙を作ることはできません。工房横山の作品は、ほぼ全ての作業工程を一貫して製織できる珍しい工房の製品として希少価値が高いことが挙げられます。また、今回の『ヤナセ絣』においては、平面・平織の銘仙の絵柄が立体的に見えること、銘仙の特徴である光の反射によって起こる絹のキラキラした玉虫効果、そして一番の特徴はたて・よこそれぞれの柄が見え隠れする、例えるならレンチキュラー印刷の視覚効果を手織りの織物で再現したといえるアート性の高い技術です。今後はこの技術を活かし、織物の域を超えて、様々な製品化へチャレンジを行いたいと考えています。

  3. 1枚の織物を消費せず大切に使うSDGsの価値観

    絹織物は化学的な繊維とは違い、自然由来。軽くて温かく、人に優しい肌さわりです。着物は手入れをすることによって代々受け継ぐことができます。銘仙の特徴としては、たて糸に捺染(プリント ※1)をしてからよこ糸を入れ織ることで表裏のないリバーシブルの織物ができます。昔の人たちは表側が痛んだり汚れたりすると、着物をほどいて裏側で着物を仕立て直し長く着て、最後まで無駄なく使ったそうです。現代の便利になった大量生産、消費とは逆行していますが、逆に唯一無二の1点物を求め、大切に楽しんでいただける方、関心がある方の手元に着実に情報が届くよう、我々も創意工夫してまいります。

  • 出展概要

第71回埼玉県美術展覧会に当リリースの着物を出展しています。ぜひ実物をご覧ください。
 ・名称:第71回埼玉県美術展覧会

 ・会場:県立近代美術館

 ・会期:2023年6月22日(木)まで ※月曜休館

 ・開館時間:10時00分~17時30分

 ・主催:埼玉県、埼玉県教育委員会、埼玉県美術家協会、埼玉県芸術文化祭実行委員会、埼玉県美術展覧会運         営委員会

 ・入場料:無料

 ・URL::https://www.pref.saitama.lg.jp/f2216/geibunsai/kenten.html

  • 秩父銘仙について

山々に囲まれた秩父地域は、古くから養蚕業が盛んです。絹糸から生産され、庶民の野良着として定着していた「太織(ふとおり)」から、技術の発展により「秩父銘仙」へと変化していきました。たて糸に柄を染色し織り上げる「捺染(なっせん)」(※1)の開発により、明治中期から昭和初期をピークに、おしゃれ着として広く普及していきましたが、着物から洋服への生活様式の変化などにより、近年は生産量が著しく減少しています。

そのような状況の中、弊社では、あえて秩父地域の歴史や伝統技術を絶やさぬよう、昔ながらの製法で染織した秩父銘仙や長瀞藍染、草木染めを使った商品を気持ちを込め生産し、丁寧に織り上げています。

  • 秩父織塾工房横山 株式会社について

大正9年創業。初代横山忠安が『横山織物』を設立。戦前から昭和にかけて銘仙織物を生産し、平成28年に『秩父織塾工房横山株式会社』に社名を変え令和5年に創業103年を迎えました。昭和30年代には着物から洋服に変わるとともに、反物の生産から夜具地(布団生地)の生産に移行していきました。二代目横山敬司は、反物や夜具地が衰退していく時代変遷のなかで、昭和40年代後半にアクリルプリントの開発に成功。西川産業、京都コスギでイブサンローラン、マリメッコなどライセンス物の座布団カバー、こたつ掛け等の商品を手掛けていました。また草木染めや藍染のスカーフを制作し始め、日本橋三越などに匠ブランドとして常設。『秩父銘仙館』の立ち上げの発起人のひとりであり、秩父銘仙の復活に取り組んでまいりました。

現在は三代目横山大樹となり、『銘仙を日常に』をモットーに、幅広い世代の日常に寄り添った埼玉県の伝統的工芸品である『秩父銘仙』の新たな形を模索し開発発案、製品化を行っているほか、伝統と技術を残していくために伝統工芸士として後継者育成も行っています。また、毎週金曜日には明治時代の昔ながらの手織機を使いはた織教室や一般の方に向けての織りや染めの体験教室も行っています。

【会社概要】

会社名: 秩父織塾工房横山株式会社

所在地:埼玉県秩父郡長瀞町矢那瀬1313‐1

TEL:0494(66)0050 FAX:0494(66)3829

定休日:木曜日・不定休

営業時間:10:00~18:00

ホームページ:https://www.yokoyama-koubou.com/

Instagram:https://www.instagram.com/chichibuorijyuku.yokoyama/

Twitter:https://twitter.com/KOUBOUYOKOYAMA ※Twitterはじめました。

Facebookページ:https://www.facebook.com/orijukuyokoyama/

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