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京都における日本画新人賞「京都 日本画新展2023」受賞作品の決定および作品展の開催について

 京都新聞は西日本旅客鉄道株式会社と共同主催で、日本画を志す、創造性あふれた若い人材の活動を奨励し、京都の文化の発展に寄与することをめざし、2008年度から15年にわたり、京都における日本画新人賞「京都 日本画新展」を開催しています。

 このたび、以下のとおり「京都 日本画新展2023」(2022年度)の受賞作品が決定するとともに、京都の文化振興の取り組みの一つとして、また多くの皆様に日本画文化をお伝えする場として、「京都 日本画新展2023」作品展を開催致しますのでお知らせします。

1 受賞作品 (作品紹介別添)※年齢は2022年11月28日(選考会当日)現在、地名は出生地、敬称略
(1)大賞 : 1点(賞金30万円)
〇作者名 小谷 光(こたに ひかる) 34歳 兵庫県西宮市
〇作品名 meets(ミーツ)

大賞 小谷 光(こたに ひかる) 『meets(ミーツ)』大賞 小谷 光(こたに ひかる) 『meets(ミーツ)』

〇講 評 発表する場の減少や画材の調達など若手作家にとって、困難な現代でも、確かな表現力とチャレンジ精神が伝わってくる「京都 日本画新展」らしい作品である。
〇コメント 「深海魚が真っ暗な海底で、観覧車に一人で暮らしている少女に出会う」という場面を描きました。 今回は新聞紙を貼り合わせて日本画の絵具で描写しましたが、新聞紙を使用すると経済的にも環境的にも優しいのでおススメです。
〇素材:新聞紙、岩絵具、水干絵具

(2)優秀賞 : 1点(賞金10万円)
〇作者名 池上 真紀(いけがみ まさのり) 35歳 兵庫県神戸市
〇作品名 残響(ざんきょう)

優秀賞 池上 真紀(いけがみ まさのり) 『残響(ざんきょう)』優秀賞 池上 真紀(いけがみ まさのり) 『残響(ざんきょう)』

〇コメント 決して語りかけてくるわけではないが、心を傾けることで聞こえてくる声があるように思う。長い時を存在し続けるものからは、その残響が時空を超えて流れ込んでくる。静かで壮大な響きとなって。
〇素材 椿紙、胡粉、岩絵具、墨

(3)奨励賞 : 3 点
奨励賞・京都府知事賞
〇作者名 大村 美玲(おおむら みれい) 34歳 京都府京都市
〇作品名 沙鴎(さおう)

奨励賞・京都府知事賞 大村 美玲(おおむら みれい) 『沙鴎(さおう)』奨励賞・京都府知事賞 大村 美玲(おおむら みれい) 『沙鴎(さおう)』

〇コメント 海の京都にて、海流の彼方に不死の世界、常世が古来より語られる中、丹後では海岸が舞台となる「浦嶋子」伝承や「久世戸縁起」をはじめ、元伊勢籠神社、仏教普及後の成相寺の成立、浄土信仰から極楽浄土の舞台へと続きます。穏やかな阿蘇海をふと見ると、異境を超えて彼方から辿り着いた、現在の日常の社に遭遇しました。
〇素材 麻紙、岩絵具

奨励賞・京都市長賞
〇作者名 松岡 勇樹(まつおか ゆうき) 28歳 京都府亀岡市
〇作品名 はじまりもおわりもない

奨励賞・京都市長賞 松岡 勇樹(まつおか ゆうき) 『はじまりもおわりもない』奨励賞・京都市長賞 松岡 勇樹(まつおか ゆうき) 『はじまりもおわりもない』

〇コメント 私にとって描くことは、自己が世界を獲得する行為です。この3年間の出来事に私は生と死、はじまりとおわりを意識し始め、 創作は100均の紙に小さな点を打つことからはじまりました。次第に点は塊を成し、まるで大気の流動や超新星爆発、花のような造形を獲得しながら膨張しはじめました。そうして私は“私の絵”のはじまりと出逢うことができました。
〇素材 豚生皮、ナイロン糸、墨

奨励賞・京都商工会議所会頭賞
〇作者名 青野 圭花(あおの けいか) 44歳 大阪府高槻市
〇作品名 水映ゆ(みずはゆ)

奨励賞・京都商工会議所会頭賞 青野 圭花(あおの けいか) 『水映ゆ(みずはゆ)』奨励賞・京都商工会議所会頭賞 青野 圭花(あおの けいか) 『水映ゆ(みずはゆ)』

〇コメント 初夏の明るい光の中、水面に蓮葉が鮮やかに映り込み、どこからが現実のものなのか、わからない。 静かだけれども、風や虫や魚が確かに存在して、葉も空気も水面も、絶えず揺れ動き、その度に色彩が溢れるような、水辺の風景を描きたいと思いました。
〇素材 麻紙、岩絵具、水干絵具

2 作品展
作品展の名称:「京都 日本画新展2023」
日時:2023年2月3日(金)~2月12日(日) 計10日間
午前10時-午後7時30分(最終日は午後5時まで)
※会期中無休 入館は閉館の 30 分前まで
会場:美術館「えき」KYOTO(ジェイアール京都伊勢丹7階隣接)
入館料:無料
内容:出品作品全30点と推薦委員の6点の作品

3 出品作家によるギャラリートーク
日時:2023年2月4日(土)・5日(日)・11日(土)・12日(日)等を予定(※)
会場:美術館「えき」KYOTO(ジェイアール京都伊勢丹7階隣接)
入館料:無料
内容:作品展内で出品作家が自身の展示作品の解説を行います。作品の背景や作家の
想いなど、作品展や作品の新たな見方や楽しみ方が広がる機会です。
※詳細はホームページ等でお知らせします。
http://event.kyoto-np.co.jp/event/shinten2023.html

4 授賞式
日時:2023年2月8日(水)午後6時 会場:ホテルグランヴィア京都

5「京都 日本画新展2023」の概要
1 事業の趣旨
 京都における日本画は、「京都画壇」として多くの人材を輩出し、今日に至っています。また、日本画の世界を通じて育った人材は、京都に伝来する美術、工芸、産業振興に広く深くかかわり、その基礎的部分を形成しています。

 「京都 日本画新展」、そして「続(しょく)『京都 日本画新展』」を通して、日本画を志す若手作家たちが、生き生きと日本画を描くことを応援し、その活躍の場のひとつを提供してまいりました。

 2018年度から、京都府、京都市、京都商工会議所が共催となり、「京都全体で本展に取り組む」ことをめざしています。そして推薦委員には現在、芸術大学で教鞭をとられている方々を起用し、より幅広い、多様な出品者が期待され、また新しい審査委員のもと、多角的な視野から作品審査を行っています。

 伝統と文化、そして大学の街・京都の特性を最大限に生かし、引き続き、日本画を志す若手作家とともに、京都ならではの日本画展をめざします。

2 主催者等
〇主 催 西日本旅客鉄道株式会社、京都新聞
〇共 催 京都府、京都市、京都商工会議所
〇協 力 文化庁 地域文化創生本部
〇後 援 京都府教育委員会、京都市教育委員会、KBS京都、エフエム京都

3 運営体制
(1) 推薦委員(50音順、敬称略)
石股 昭 (奈良芸術短期大学教授)
雲丹亀 利彦 (京都精華大学教授)
大沼 憲昭 (嵯峨美術大学教授)
川嶋 渉 (京都市立芸術大学教授)
西久松 吉雄 (成安造形大学名誉教授)
村居 正之 (大阪芸術大学教授)
※出品作家の推薦は2022年5月上旬に行ないました。

(2)選考委員(50音順、敬称略)
太田垣 實 (美術評論家)
國賀 由美子 (大谷大学文学部教授)
野地 耕一郎 (泉屋博古館東京館長)
畑 智子 (京都文化博物館特任学芸員)
森口 邦彦 (友禅作家、重要無形文化財保持者)
山田 諭 (美術史家)

4 企画概要
(1) 参加概要
〇原則として、京都を中心に活動している、あるいは京都にかかわりの深い概ね25歳から45歳の日本画家を対象に、推薦委員が出品依頼候補者を選出し、本人の参加意思を確認の上で出品を要請、今回は30名が出品。
<参考>出品作品数
「京都 日本画新展」 第1回 37名、第2回 38名、第3回 37名、第4回 37名、第5回38名
続「京都 日本画新展」 第1回 39名、第2回 38名、第3回38名、第4回 38名、第5回39名
「京都 日本画新展」 2019 40名 2020 40名 2021 39名 2022 33名

〇出品依頼候補者の選出に当たっては、京滋の美術系大学を中心として、日本画の継承に尽力する現場教員などと情報交換の機会を得て、推薦対象を積極的に拡大。
〇大賞1点(賞杯と賞金30万円)、優秀賞1~2点程度(賞杯と賞金10万)、奨励賞・京都府知事賞、京都市長賞、京都商会議所会頭賞(賞状)。
※大賞・優秀賞者を除く出品者全員に奨励金として5万円支給。

(2)作品の条件
・額装、軸装、屏風装(屏風装の場合二曲一隻のみ可)のいずれかとする
・額装の場合、額縁幅は片側70㎜以内、軸装は壁面に掛けられるものとする
・作品の大きさは、80号M(1455㎜× 894㎜)以上から 100号S(1620㎜×1620㎜)程度、厚みは100㎜以内(額装を含む)

5 事務局
京都新聞COM事業推進局開発推進部 〒604-8567京都市中京区烏丸通夷川上ル
TEL:075(255)9757/FAX:075(255)9763(平日の午前10時-午後5時)
作品の画像を希望される方は、事務局にお問い合わせください。

 

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