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【京漆匠 象彦】「象彦 創業360 周年 十代 西村 彦兵衛襲名 記念作品展」開催

京都寺町二条に本店を構え る 漆器専門店「象彦」は 2021年、創業 360 周年を迎え、代表取締役社長西村 毅が十代 当主「西村 彦兵衛」を襲名いたしました。
この二つの節目に当主の想いを投影し、漆器の技術の粋を集めた記念作品を製作いたしました。
つきましては記念作品を一挙にご覧いただける記念作品展を開催いたします。

 

  • コンセプト「復刻と継承」

十代 西村 彦兵衛は象彦360年の歴史の中で眠っていた幻の図案・高度な蒔絵技術とデザインを現代に蘇らせました。
「未来に向けた新たなものづくりへの挑戦」とする、そのような思いのなか今回の記念作品展のテーマを「復刻と継承」としました。
 

  • 十代 西村 彦兵衛について

1961年3月6日生まれ。
日本国内において伝統を継承しながら新しい漆器のデザインや技術の開発を行う傍ら、漆器の魅力を発信すべく各地での講演活動もおこなう。
またヴァシュロン・コンスタンタンやモンテグラッパなど海外ブランドとのコラボレーション作品も多数発表。
 

 

 

 

  • 作品紹介 – 挑戦

「若冲鶏図蒔絵 硯箱」 (製作協力:細見美術館)
近年その超絶な技巧と作品の独自性で注目されている江戸時代の画家 伊藤 若冲の絵画は、これまで蒔絵の下絵となることがほとんどありませんでした。
若冲の絵画を蒔絵で表現するとどのような作品となるのか。期待を持って挑戦しました。

蓋表「雪中雄鶏図」より蓋表「雪中雄鶏図」より

 

蓋表に描かれている「雪中雄鶏図」(細見美術館蔵)は、若冲が「景和」と名乗っていた30代前半頃に描いたとされる初期の名作。

彩色豊かで精緻に描かれた鶏を研出し蒔絵、高蒔絵、研切り蒔絵という技法を併用し、忠実に表現しました。

細部まで描きこまれた蒔絵細部まで描きこまれた蒔絵

蓋裏に描いた「虻に双鶏図」(細見美術館蔵)の鶏一羽と虻は、銀粉と炭粉を使用した銀研切り蒔絵で水墨画のように幽玄に表現しました。
銀研切り蒔絵の作品は象彦ではおよそ100年ぶりの製作となります。

 

蓋裏「虻に双鶏図」より蓋裏「虻に双鶏図」より

*銀研切り蒔絵(ぎんとぎきりまきえ):黒く描くところに炭粉、銀色の部分に銀粉を蒔き、全面に漆を塗り込んだ後、炭で絵を研ぎ出す研出し蒔絵の一種。

硯箱の身内側は蓋裏と同じ風情を表現し、若冲の落款を水滴に施しました。

 
「長寛紹巴ノ紋写 宝石箱」

紹巴織(しょうはおり)の吉祥図の中から楽しい姿の鳥獣を描いた江戸後期の名工 佐野 長寛の作風を再現しました。
佐野 長寛は地塗り(じぬり:全面の塗り)にたたき地(たたきじ:綿などで凝固前の漆を叩き細やかな凹凸をつける塗り技法)、蒔絵には鉛粉を用いていますが、
本作品では地塗りをいじ粉塗り(いじこぬり:漆を凝固させた後細かな粉状にしたいじ粉を蒔きつける技法)、蒔絵には銀粉を用いて再現しています。

「雲間の月蒔絵 平棗」・「風竹蒔絵 大棗」

いずれも象彦の明治~大正期の下絵である置目(おきめ:蒔絵の描きはじめに使用する図案)を

「若冲鶏図蒔絵硯箱」の蓋裏と同様に銀研切り蒔絵で描きました。

雲間の月雲間の月

 

風竹風竹

雲間から月が現われその姿がくまなく見える時を待つ「観月」のひととき、
風になびく竹の枝を眺めると、葉が擦れ合う音が聞こえてくるような「聴風」を表現しています。
外側は落ち着いた艶消しの漆黒となっています。
 

  •  作品紹介 – 復刻

象彦所蔵のうち 、 下絵として存在しながらも蒔絵にされたことのない作品を復刻させました。

「夕顔 蒔絵宝石箱」

源氏物語にも登場する夕顔は、京都の人々に愛される題材です。
象彦が所蔵している可憐な下絵を蒔絵で描きました。
この作品では夕顔の葉の色に濃淡をつけ、葉脈も金・黒で描くことで葉の明暗と奥行きを表現する新しい試みに挑戦しています。

 
「秋草に月 蒔絵宝石箱」

八代 西村 彦兵衛(1909-1965)時代の下絵を蒔絵で描きました。
「桔梗花三ツ青貝 月ハ鉛 芒ハ金 芙蓉ハ銀」
と八代 彦兵衛の指図が記されており、その指図に忠実に蒔絵をいたしました。

 

  • イベント詳細

「象彦創業360周年 十代 西村 彦兵衛襲名 記念作品展」

会期|2022年 11月19日(土)~11月25日(金)
          ※22日(火)は店休日につき休業
時間|10:30~17:30
会場|象彦 京都寺町本店2階
    〒604-0916 京都市中京区寺町通り二条上ル西側 要法寺前町719-1
TEL|075-229-6625
店舗詳細ページ|https://www.zohiko.co.jp/shop/
※駐車場がございませんので近隣のコインパーキングをご利用くださいませ。

記念作品展 特設サイト|https://www.zohiko.co.jp/360th/

上記記念作品は一部抜粋となります。その他の作品も当日会場にてご覧いただけます。
 

  • 京漆匠 象彦について

1661年(寛文元年)創業の京都の漆器専門店。
創業当初は「象牙屋」という唐物道具商として開舗。後に漆器を専門として今日に至る。
朝廷より”蒔絵司”の称号を拝受した名匠・三代 西村 彦兵衛が晩年「白象と普賢菩薩」を描いた蒔絵額が洛中で評判となり、それ以来「象彦」の通り名が時を経て今日の屋号となる。
歴代の当主は仙洞御所の御用商人をつとめた四代、茶の湯の道に通じて御道具を製作した六代、明治期には漆器輸出貿易の先駆者としての活躍に加え漆器製作の職人養成にも尽力した八代など、その時代の京漆器を牽引してきた。

公式Webサイト|https://www.zohiko.co.jp/
Facebook| https://www.facebook.com/zohiko.official
Instagram| https://www.instagram.com/zohiko/

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